ひと昔前では、不用品などを買取してくれる場所と言えば質屋、もしくはリサイクルショップなどに限られていました。
しかし最近では買取専門の業者が数多く存在し、それなりに便利に利用することができるようになっています。
そんな今の状況の中で、気軽に利用できるようになったからこそのトラブルも多く発生しているようです。
その1つに挙げられるのが、最近特に目立ってきている「押し買い」というものです。
かつて、押し売りという言葉をよく耳にしました。
すなわち、突然家にやってきて強引に商品を売りつけるという行為だったのですが、この「押し買い」はまさにその逆の行為と考えて良いでしょう。
つまり、家に突然押しかけてきて強引に家の中の品物を査定したあげく、法外に安い値段で買い取ってしまうというものです。
当然、持ち主はまったく納得していないのですが、その品物を買い取ったことにしていまい持ち去ってしまうのです。
さらに酷い業者になると、持ち去った品物を勝手に転売してしまうケースも多くあるようです。
この「押し買い」で狙われやすい品物には、貴金属、宝飾品、着物、骨董品、自動車などがあります。
多くの場合、これらの品物に目を付けた業者からの勧誘があるようです。
「何でも買い取る」などと口実を設けて来訪してきますが、最初から買い取る品物に狙いを定めているはずです。
そして、いったん家に上がり込むと長時間居座り、言葉巧みに法外に安い値段で強引に品物を買い取っていってしまいます。
こういった被害に遭わないようにするには、そもそも最初の勧誘の電話があった時点で相手の言うことを鵜呑みにしないに限ります。
さらに、実際に「押し買い」業者がやってきた際には、自分だけでなく近所の隣人などにも同席してもらい、毅然とした態度で対応してください。
何よりも、簡単に家の中に入れないことが大事です。
また、本来の買取業者は古物商としての許可を得ているはずですので、許可証と行商従事者証を確認すべきでしょう。
まだある「怖い」買取トラブル
買取でのトラブルは「押し買い」だけではありません。
例えば近年増えているのが、古くなった着物などを買い取るとして家を訪れ、その際に家にあった貴金属も一緒に買い取れるからと告げて、安価な値段で買い取られてしまったケースがあります。
この時、業者が帰った後に当事者が冷静になって契約の解除を求めたのですが、クーリングオフの規定がないからと対応してくれなかったのです。
これと同じように、やはり契約を解除しようとした際に、すでに第三者に売ってしまったので品物の返還は出来ない、あるいはその業者自体との連絡が付かなくなったというケースもありました。
良い買取業者の見分け方
買取業者とのトラブルを避けるには、いくつかのポイントがあります。
もちろん、不用品などを買い取ってもらう側からすれば、出来る限り高く売りたいと願うのは当然なのですが、過度な期待はトラブルの元になりがちです。
まず、宣伝に熱心な買取業者には注意が必要です。
特に「買取価格15%アップ」などと宣伝している業者は、そもそもの買取価格が安いのだと考えた方が無難でしょう。
良心的な価格で買取をしている業者であればあるほど、価格アップなどというものは不可能なのだと思っていてください。
また、高い買取価格を表示している業者の中には、その価格から手数料や査定料といった名目でどんどん金額を差し引いていくこともあり、結果的には通常よりもかなり安い値段にしかならないといった場合も多く見られるようです。
買取をしてもらう品物を目の前で査定しないという業者も要注意です。
家に来た際に、いったん持ち帰って査定するなどと言う業者は、下手をするとそのまま持ち去られてしまいます。
今はネットによる情報網が発達していますので、買取を依頼する前にその業者に対する口コミなどをよく調べてみることをお忘れなく！