買取ビジネスの最前線

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もともと買取という業種には、専門の業者が商品を売りたい人から品物を買い上げ、中古品市場に流して中古品販売店に売りさばき、さらにそこから一般の消費者に売るという構図が成立していました。
当然、商品を買い上げた業者や中古品販売店は、中間マージンを取ることで商売を成り立たせています。


つまり、中間マージンを出来るだけ多く得るには、最初に買取をする価格を出来る限り安く、最終的に消費者が購入する価格を出来るだけ高くすることが必然となってきます。
ですから、これまでは我々が不用品を売る際には、こうした中間マージンを取られる(=最終的な販売価格に上乗せされる)ことは仕方のないことだと考えていたように思います。
しかしネットの発達とともに、今まで当たり前だったその構図が崩れ始めているのです。

ネットで個人間取引が発達

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 ネットの発達によって、買取業に最も大きな変化を与えたのは、ヤフオクなどに代表される「個人間での取引」が成立するようになったことではないでしょうか。
不用品を売りたい人と、ちょっとでも安く自分に必要なものを手に入れたい人がダイレクトで繋がるようになったのです。
そこには業者が入り込むこともなく、したがって中間マージンが発生することもありませんし、売り手の希望価格と買い手の支払可能金額が合えば、そのまま取引が成立します。
すなわち、中間マージンを取って成立していた買取業者にとっては、非常に厳しい環境になってきたということなのです。
 そこで、買取業者の多くは、購入を希望する一般の消費者と出来る限りダイレクトに繋がるような方策を考え始めました。
それが、買取専門のお店が販売も行うという形態です。
買取業の中では以前から成熟したジャンルとして確立している中古車業界を例にしてみましょう。
以前は、中古車を買い取った業者はオークション市場にその車を出品していました。
そのオークション市場には中古車の販売業者がおり、出品された中古車を選定して買い取ります。
そして、その販売業者が一般の消費者に中古車を売っていました。
 しかし、今は多くの買取業者がオークション市場に出品することなく、買い取った時点で直接消費者に宣伝を行い、販売しています。

新しいサービス

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 買取の専門店が直接消費者に中古品を販売するようになった結果、ユーザー向けの新たなサービスも生まれてきました。
その1つが「一括査定」というものです。
 例えば、引っ越しをする際などに出てきやすい不用品は、家電から衣服、宝飾品など、あらゆるジャンルのものになりがちです。
それらをすべて一括して査定してくれるのが、この「一括査定」の特徴です。
しかも、ネット上には複数の買取業者に同時に査定してもらえるサイトもあり、それを使えばユーザーにとっては大いにメリットのある買取をしてもらうことが出来ます。
その一方で、特定のジャンルに特化した買取専門店も数多く存在しています。
 つまり、もし大量に処分したい品物を抱えている場合、雑多なものは1つの業者に一括査定をしてもらい、専門色の強いものやマニアックな品物は専門の業者に査定してもらうということが出来るのです。
少しでも買取によって得したいと考えるのであれば、こういった買取業の新しいサービスを活用すべきだと思います。

買取ビジネスの今後

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 家電や衣服などは、次々に新しいものが販売されており、そのサイクルもどんどん短くなっているようです。
一方で、世間一般の動向は大量消費時代からエコ&リサイクルの時代に移行しつつあります。
そういった状況を考えると、今後は買取ビジネスへのニーズがますます大きくなるのではないかと思います。
 昔からある中古車や古着といったお店だけでなく、最近では型の古くなったパソコンや携帯電話、スマートフォンなどを買い取る業者も多くなっています。
さらに、太陽光発電などのシステムの発達によって、一般家庭で余った電気を買い取るといったことも次第に広がりつつあるようです。
 もはや買取ビジネスは「不要になったから処分する」ということだけを目的にするのではなく、「自分には不要でも他で必要としている人に売り渡す」という発想がメインになってきているのだと思います。

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